日本空気清浄協会(JACA)会長奨励賞受賞決定
日本空気清浄協会(JACA)会長奨励賞受賞決定
2017年4月に開催された公益社団法人日本空気清浄協会(JACA)主催の「第34回空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会」において、当社と工学院大学の共同研究が「JACA会長奨励賞」を受賞しましたので、本研究の概要、取り組みを紹介いたします。
【題目】
ナノファイバフィルタとオゾン発生装置を備える空気清浄機の除菌と殺菌効果
【要旨】
１．フッ素樹脂ナノファイバフィルタ(弊社製品形式BFML)とオゾン発生器を備える空気清浄機による真菌(カビ)、細菌の捕集および殺菌効果について研究しました。その結果、黄色ブドウ球菌、大腸菌、クロカビ、アオカビ、クロコウジカビの捕集および殺菌に有効であることが判明しました。
２．フッ素樹脂ナノファイバに捕獲されたカビ胞子の発芽や増殖が抑制され、更に低濃度のオゾン暴露によってカビ胞子表面がダメージ受け、変形している現象が確認されました。
３．フッ素樹脂ナノファイバがガラス繊維より強いカビ抵抗性を有することを、日本食品分析センタ(第三者機関)にてJIS Z 2911:2010「カビ抵抗性試験方法」に沿った試験を行い確認しました。
４．フッ素樹脂ナノファイバの低圧力損失、長寿命による捕菌効果の即効性(大風量対応可)、オゾンまたは紫外線の空気を介した殺菌効果の持続性(粉じん負荷後も効果落ちない)と併用すれば、真菌、細菌、ウイルスの除去方法として、既存の薬剤添着タイプの抗菌・防カビフィルタに並ぶもう一つの選択肢になると期待されます。
【今後の予定】
１．国内だけで約300万人いると言われている、真菌起因の難治性(ステロイドなどの投薬では治癒できない)アレルギー性呼吸疾患患者の症状緩和や治癒、院内感染の改善、パンデミック対策などについて、工学院大学、済生会金沢病院とも連携し、有効性の高いエビデンス(臨床データ)の取得、蓄積を図ります。
２．研究成果を日本アレルギー学会、済生会、日本咳嗽学会、日本呼吸器学会などにも発信し、病院や在宅治療など、幅広い分野で活用検討いただくとともに、本研究の早期実用化に向けて取り組んでまいります。
【共同研究者】
工学院大学 柳宇(教授)、志村ゆり子
日本無機(株) 包理(ばぉり)、小林誠
済生会金沢病院 小川晴彦(診療部長)
内容の詳細については、JACA機関誌「空気清浄（第55巻第2号）」に掲載されています。
ご希望の方には別刷りをお送りいたしますので、お問合せフォームよりご依頼ください。
